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2009年02月20日

slowcoach

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ご無沙汰いたしました!
心配かけてすみません!
1、2月はとても内省的になるようで…
毎年スローなスタートです。

しかしおかげさまでたくさん本読みました。笑
伊藤桂一やら高橋源一郎やら武満徹やらetc.


平野啓一郎がおもしろい。
短編「最後の変身」はカフカの「変身」現代版みたいでパワーがありました。
作家ってあんなに狂っちゃっていいのかなと思った。
計算された狂気なんだろうけど。
あと評論「金閣寺論」では戦時中の天皇という存在について思った。
現人神であり絶対的な存在だったということらしい。
「お国のために」とかって亡くなった人間は絶対的存在と1つになれると思ったんだろうか?
だいたいなんなんだ絶対的存在って?
あるのかそんなもん?

藤沢周平「蝉しぐれ」にいたってはDVDまで借りてきてしまった。
「忘れようとしても、忘れ果てようとしても、忘れられるものではございません」
ああああああかっこいい。笑

かっこいいといえばエルサレム賞受賞の村上春樹のスピーチもかっこよかった。
「I have only one reason to write novels, and that is to bring the dignity of the indivudual soul to the surface and shine a light upon it. …. This is why we go on, day after day, concocting fictions with utter seriousness.」
(だいたいの訳:私が小説を書く理由は1つです。人間存在の尊厳を提示し光を与えることです。…。そのために我々小説家は日々、虚構を真摯に捏造するのです)←訳難しい!
なんつっても「concocting fictions with utter seriousness」がいい!
あと後段で彼が自身の父親の死について言及するところも
彼特有のサラっと言いながしているカンジだけど妙に後味が濃い。
興味ある方は下のサイトで全文どうぞ。
原文、引用:http://www.haaretz.com/hasen/spages/1064909.html


この先の演奏予定ですが
3月末はカフェ・コンサートが1つ。
4月末は関東での演奏があります。
詳細はまた別でアップします!

おまけ:本リスト
平野啓一郎(2004)「最後の変身」『滴り落ちる時計たちの波紋』文芸春秋 pp.151-265
平野啓一郎(2007)「金閣寺論」『モノローグ』講談社 pp.12-79
藤沢周平(1991)『蝉しぐれ』文芸春秋 pp.470

(写真:散歩してたら咲いてました)



Posted by さのしゅうさく at 13:32│Comments(2)
この記事へのコメント
私も、村上春樹さんの受賞講演には、感動しました。「私は卵の側に立つ」。普段、メディア露出のない村上さんだけに、重みが伝わってきました。「ねじまき鳥のクロニクル」をまた読みたくなりました。
Posted by itchi at 2009年02月20日 14:38
itchiさん
「壁と卵」ね。
「ねじまき鳥」間宮さんが好きだなワタシは。
Posted by さのしゅうさく at 2009年02月22日 11:30
 
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